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動物の健康管理は一年365日
 風邪の季節です。動物の健康管理は一年365日、気を抜くことは出来ませんが、私たち同様この時期はより一層、注意を払います。そこで今回、海獣類の健康管理についてお話ししましょう。


検温・採血
毎日行っているのは、体温測定と尿検査です。イルカやアシカの体温は朝測り、多い時には一日3回です。一般的な体温計とは異なり、人の直腸型体温計を使っています。本体から細長く延びた、先端に熱を感じる部分のある端子(プローブ)を肛門に30pほど入れて、約1分間じっとさせます。
イルカの平熱は大体36.0〜37.0℃で、アシカはそれよりも少し高めです。
海獣類の病気で最も多い肺炎にかかると、1℃以上高くなることもあります。現在、尿が採れるのはイルカだけで、人の簡易尿検査スティックで調べています。

血液検査は月に一回で、ほとんどがイルカです。尾ビレの血管から採血し、測定項目は人と同じで、感染症で白血球数が多くなったり、貧血の時には赤血球数が少なくなったりと、基本的には私たちとほとんど変わりません。また、血液検査は健康管理としてだけではなく、ホルモンを調べることで妊娠の判定も出来ます。
体重測定
体重測定は、月に三、四回行っています。イルカやアシカは自ら体重計に乗るようにトレーニングされていますが、ペンギンは一羽ずつ捕まえます。皮手袋を後ろに組み、係員がプールの中をうろうろしているのは、まだ全羽捕まっていない証拠です。

 医療機器を使用するのは、超音波検査、内視鏡検査とレントゲン検査です。超音波でイルカの胎児を観察したり、内視鏡でイルカ、ペンギンやウミガメの胃の中を調べたり、レントゲン検査でイルカやアシカのアゴやヒレを撮影したこともあります。今、私の悩みの一つは、これら医療機器の塩害対策です。検査をすると必ず塩がつき錆ますが、だからといって、飾っておくことも出来ません。

動物の薬って?

 「人の薬を使うのですか?動物の薬はあるのですか?」と、よく聞かれます。考えてみて下さい。動物実験で効果があり安全性を試された薬を人が使い、それを海獣類に与えているのです、効かない訳がありません。ですから、ほとんどの薬、抗生物質、解熱剤やビタミンなどは、私たちが普段使っているものを、これらの検査結果から、イルカ、アシカ、アザラシやペンギンに与えています。

海獣類の健康管理が私たちとほとんど変わらないことがお分かりになりましたでしょうか?体温測定の回数だけなら、イルカやアシカの方が多いはずです。

 
(展示飼育グループ 寺沢 文男
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